大人の夜に、ちょっと艶っぽい話を。

大人になってから読む恋愛漫画が、妙に刺さる理由

10代の頃に読んだ恋愛漫画より、いま読む恋愛漫画のほうが、なぜか深く刺さる。そんな感覚はないでしょうか。

ときめきの絶対量なら、たぶん昔のほうが多かったはずです。それなのに、大人になってから読む恋愛漫画は、ページを閉じたあとも胸のどこかに残り続ける。今回は、その「妙に刺さる」の正体を考えてみます。

理由1:恋が「初めて」ではなくなったから

10代の頃、恋愛漫画は予告編でした。まだ知らない世界を先に見せてくれるもの。だからこそキラキラして見えたし、裏を返せば、どこか他人事でもありました。

大人になった今は違います。うまくいった恋も、そうでなかった恋も、選ばなかった選択肢も、自分の中に実物がある。漫画の登場人物が迷う場面で、こちらは自分の過去を思い出しながら読んでいる。物語と記憶が重なった瞬間、フィクションはただのフィクションではなくなります。

刺さっているのは漫画そのものではなく、漫画に照らされた自分の記憶なのかもしれません。

理由2:登場人物の「ずるさ」が理解できてしまうから

若い頃は、不誠実な登場人物を見ると単純に腹が立ちました。「なんでそんなことするの」と。

いまは違います。人が正しくない選択をするとき、そこには大抵、本人なりの弱さや事情があると知ってしまった。だから大人向けの恋愛漫画に出てくる、ずるい人、弱い人、間違う人に対して、「許せない」と「わかってしまう」が同時に湧く。この感情の板挟みこそ、大人の読書の醍醐味です。

正しさだけでは割り切れない話を、正しさだけで裁かずに読める。これは大人になってから手に入る読み方だと思います。

理由3:日常に「非日常」の置き場所が必要だから

大人の毎日は、思っている以上に決まりごとでできています。仕事、家のこと、人付き合い。感情を大きく揺らす出来事は、日常からは慎重に取り除かれていく。

だからこそ、ページの中の激しい感情に触れる時間が効くのです。誰かを傷つけることも、自分が傷つくこともなく、心だけを思いきり揺らして、読み終わったら日常に戻る。恋愛漫画は、大人にとって一番安全な感情の遊び場なのだと思います。

まとめ:刺さるのは、読む側に物語が増えたから

大人になってから恋愛漫画が刺さるのは、作品が変わったからではなく、読む側の中に物語が増えたから。経験した分だけ、漫画は深く読めるようになります。

眠れない夜に1冊、心を揺らしてみてください。当サイトでは、そんな夜に合う作品を少しずつ紹介していきます。

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